藤沢 周平
闇の穴
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 51 (1976) 年 別冊文藝春秋
著者名 作品名
藤沢周平 闇の穴

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

 いつも、裏店がそろそろ寝静まるころやってきて、ひっそりと戸を叩き 「いさ だ」と声をかける。 おなみが聞くのは低い短いそのひと言だけだある。 若くはなく、年配の男の声のように思われた。
 その声を聞くと、峰吉は一瞬顔色を変えておなみを見る。 それから眼が据わったような顔のまま、部屋の中の物につまずいたり、ひどくあわてた様子で外に出て行った。 外の暗がりで、二人は長い間ひそひそと立ち話をしている。 そういうときおなみは、胸を固くして二人の気配に耳を澄ましていたが、なにを話しているかはひと言も聞きとれなかった。 いさはいつも峰吉を外へ呼び出し、どんな寒い夜も家の中に入ってくることはなかった。
                     『闇の穴』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101247144
タイトル
藤沢周平  『闇の穴』  文庫本
収録作品
木綿触れ  小川の辺  闇の穴  閉ざされた口  狂気  荒れ野  夜が軋む
Amazon  闇の穴 (新潮文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642208
タイトル
藤沢周平全集 第二巻  単行本
収録作品
冬の潮(うしお)  意気地なし  秘密  しぶとい連中  石を抱く  暁のひかり  龍(りゅう)を見た男  夜の橋  拐(かどわか)し  神隠し  閉ざされた口  闇の穴  三年目  狂気  荒れ野  春の雪  遠い少女  昔の仲間  疫病神  裏切り  夕べの光  冬の足音  暗い渦  うしろ姿  告白  捨てた女  夜の雷雨  暗い鏡  人殺し  朝焼け
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