闇の穴
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 51 (1976) 年 | 別冊文藝春秋 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 闇の穴 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 喜七 大工職平助に雇われている手間取 喜七は大工の鑑札を持っている、いずれは棟梁の株を買い、表に店を構えたいというのが夫婦の望みだった
- おなみ 喜七の女房、二十三歳 夫婦には三つになる娘ちえがいる
- 峰吉 おなみの別れた亭主 五年前、所帯を持って一年近くたったある日、小間物の行商に出てそのまま帰らなかった 峰吉が姿を消して一年以上過ぎたころ、世話する者がいて、おなみは喜七と一緒になった
Memo
いつも、裏店がそろそろ寝静まるころやってきて、ひっそりと戸を叩き 「いさ だ」と声をかける。 おなみが聞くのは低い短いそのひと言だけだある。 若くはなく、年配の男の声のように思われた。
その声を聞くと、峰吉は一瞬顔色を変えておなみを見る。 それから眼が据わったような顔のまま、部屋の中の物につまずいたり、ひどくあわてた様子で外に出て行った。 外の暗がりで、二人は長い間ひそひそと立ち話をしている。 そういうときおなみは、胸を固くして二人の気配に耳を澄ましていたが、なにを話しているかはひと言も聞きとれなかった。 いさはいつも峰吉を外へ呼び出し、どんな寒い夜も家の中に入ってくることはなかった。
『闇の穴』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247144 |
タイトル |
藤沢周平 『闇の穴』 文庫本 | 収録作品 |
木綿触れ 小川の辺 闇の穴 閉ざされた口 狂気 荒れ野 夜が軋む |
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闇の穴 (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642208 |
タイトル |
藤沢周平全集 第二巻 単行本 | 収録作品 |
冬の潮(うしお) 意気地なし 秘密 しぶとい連中 石を抱く 暁のひかり 龍(りゅう)を見た男 夜の橋 拐(かどわか)し 神隠し 閉ざされた口 闇の穴 三年目 狂気 荒れ野 春の雪 遠い少女 昔の仲間 疫病神 裏切り 夕べの光 冬の足音 暗い渦 うしろ姿 告白 捨てた女 夜の雷雨 暗い鏡 人殺し 朝焼け |
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藤沢周平全集 第二巻
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