木綿触れ
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 51 (1976) 年 | 問題小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 木綿触れ |
時 と 所
江戸時代 海坂城下
主な人物
- 結城 友助(ゆうき) 御弓組に属し、組長屋に住んでいる 三年前まで、組外の足軽として代官の下で働いていた
- はなえ 友助の妻、子供のときに両親を失い村の長人(おとな)を勤める伯父の家で養われて育った 二人は二年前に、赤子を病気で失っている
- 中台 八十郎 代官手代(てだい)、友助が代官役所にいたときの上司 汚吏(おり)で酷吏(こくり)だったが、狡猾で、藩政の実力者である郡代の血縁に繋がっているため、誰も手出しが出来ないでいた
Memo
伝内の声は耳に入っているが、友助は別のことを考えていた。 今日の昼過ぎ、友助たち足軽組の者は、城中の庭先に集められて、そこで藩公の名で出された新しい触れを聞かされた。
触れは、先に郷中に出された倹約令に続く、士分の者に対する倹約令で、祝儀、不祝儀の簡素化、家屋の造作の遠慮、正月五節句の行事の簡素化などを命じ、衣類についても「足軽中間は、布木綿のほか一切着すべからず。 襟(えり)、帯、袖へりなどにも絹物使うまじく、妻子同前のこと」 と言っていた。
同じころ城中の大広間では、家中藩士が同様の言い渡しを受けていた。 伝内の話によれば、その中味は百石につき十俵の借上げを命じ、衣類は絹物の着用を許すというところが、友助たちに対する触れと違っていて、ほかは同じだということだった。 伝内は恰幅(かっぷく)がよく、五十近い年だが、いつも艶のいい赤ら顔をしていて、城中のことをよく知っていた。
『木綿触れ』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247144 |
タイトル |
藤沢周平 『闇の穴』 文庫本 | 収録作品 |
木綿触れ 小川の辺 闇の穴 閉ざされた口 狂気 荒れ野 夜が軋む |
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闇の穴 (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163628103 |
タイトル |
藤沢周平短篇傑作選 1 『臍曲(へそま)がり新左』 単行本 | 収録作品 |
紅の記憶 証拠人 臍曲がり新左 一顆の瓜 冤罪 竹光始末 遠方より来る 雪明かり 小川の辺 木綿触れ 夢ぞ見し |
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臍曲がり新左 (藤沢周平短篇傑作選 3)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163255705 |
タイトル |
海坂藩大全(うなさかはんたいぜん) 上 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 相模守は無害 唆(そそのか)す 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 鬼気 竹光始末 遠方より来(きた)る 小川の辺(ほとり) 木綿触れ 小鶴 |
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海坂藩大全 上
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642505 |
タイトル |
藤沢周平全集 第五巻 単行本 | 収録作品 |
闇の顔 小川の辺 木綿触れ 夢ぞ見し 一夢の敗北 小鶴 梅薫る 孫十の逆襲 泣くな、けい 泣く母 飛べ、佐五郎 山桜 帰還せず 報復 弾む声 切腹 花のあと -以登女(いとじょ)お物語- 雪間草 悪癖 麦屋町昼下がり 三ノ丸広場下城どき 山姥橋夜五ツ 榎屋敷宵の春月 |
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藤沢周平全集 第五巻
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ゆ