嚏
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 49 (1974) 年 | 週刊小説 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 嚏(くしゃみ) |
時 と 所
江戸時代(明暦年間) 某城下
主な人物
- 布施 甚五郎 馬廻組百三十石、二十五歳 隠居した父勢左衛門、妻の弥生、半年前に生れた息子の総之助だけという人数で、至極円満に暮している 原庭道場で神陰流の目録を取っている
- 藤井 源助 百石取りの近習組、二十八歳 越田道場の師範代を勤め、藩随一の遣い手として知られていた 甚五郎は、藤井と三度立会ってい、二度負けているが、「藤井か貴様かという相談だったが、藤井が秋口から肝を病んで寝ているというので、異議なく貴様と決まった。 文句を言わずに承れ」
Memo
「畏(かしこま)りました」
「さきほど辞退した理由は何じゃ」
「は。 織部さまはお上の血縁。 恐れ多いことと存じますれば、一応 ・・・」
「なに、殿も覚悟を決められた。 近頃は織部さまにきつくお腹立ちである。 気遣いはいらんのだ、布施」
廊下を詰の間に戻りながら、甚五郎は気持が塞(ふさ)いだ。
甚五郎が上意討の討手をためらったのは、鬼頭に言ったような、尋常なことではない。 ほかに理由がある。
甚五郎には、人が知らない奇癖がある。 奇病と言ってもよいが、病いというには軽いものなので、誰もそれに気づいていない。 妻女の弥生だけは知っている。
『嚏(くしゃみ)』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247175 |
タイトル |
藤沢周平 『霜の朝』 文庫本 | 収録作品 |
報復 泣く母 嚏(くしゃみ) 密告 おとくの神 虹の空 禍福 追われる男 怠け者 歳月 霜の朝 |
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霜の朝 (新潮文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来(きた)る 乱心 雪明かり |
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藤沢周平全集 第四巻
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