藤沢 周平
雪明かり
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 51 (1976) 年 小説現代
著者名 作品名
藤沢周平 雪明かり

時 と 所

江戸時代  某城下

主な人物

Memo

「大きゅうなったし、美しくなったものじゃ」
 傘を拾って、由乃にさしかけて歩きながら、菊四郎は慨嘆するように言った。 快い親身な感情が胸を浸している。 嫁に行く前の由乃に会い、そのしあわせを祝福してやれてよかったと思っていた。
「由乃は十八か。 正月で十九か」
 それには答えずに、由乃は不意に、
「兄さまも、間もなくでございましょ?」
 と言った。 さっきから考えていたことを口に出したような口ぶりだった。 菊四郎は不意を衝かれたようで、少しうろたえた。
「うむ。 まあな」
「おきれいな方だそうですね」
 由乃の言っているのが、許婚者(いいなずけ)の朋江(ともえ)のことだとわかったが、菊四郎は黙った。 朋江は美しいが権高(けんだか)な女である。
                     『雪明かり』文中より

収録本

出版社 ISBN
新潮社  新潮文庫 978-4101247038
タイトル
藤沢周平  『時雨のあと』  文庫本
収録作品
雪明かり  闇の顔  時雨のあと  意気地なし  秘密  果し合い  鱗雲
Amazon  時雨のあと (新潮文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163628103
タイトル
藤沢周平短篇傑作選 1  『臍曲(へそま)がり新左』  単行本
収録作品
紅の記憶  証拠人  臍曲がり新左  一顆の瓜  冤罪  竹光始末  遠方より来る  雪明かり  小川の辺  木綿触れ  夢ぞ見し
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642406
タイトル
藤沢周平全集 第四巻  単行本
収録作品
暗殺の年輪  ただ一撃  紅(べに)の記憶  証拠人  唆(そそのか)す  恐妻の剣  潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ)  密夫の顔  嚏(くしゃみ)  十四人目の男  桃の木の下で  臍曲(へそま)がり新左(しんざ)  夜の城  冤罪(えんざい)  一顆(いっか)の瓜(うり)  鱗雲(うろこぐも)  鬼気  竹光始末  果し合い  遠方より来(きた)る  乱心  雪明かり
Amazon  藤沢周平全集 第四巻 

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