昔の仲間
≫ Top page 作家 一覧 へ
藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 52 (1977) 年 | 小説新潮 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 昔の仲間 |
時 と 所
江戸時代 江戸市中
主な人物
- 宇兵衛 紙屋「長門(ながと)屋」の主人、五十八歳 寄り合いの帰りに倒れ、胃の腑にかなり大きい腫物(はれもの)が出来ていて、医者の診立てでは「あと半年」という 子供は娘のおゆり一人だけで、この秋には同業の三男と祝言をあげることになっていた
- 幸太 四十過ぎの岡っ引 長門屋にも時どき顔を出し、そのたびに宇兵衛から小遣いを渡されていた この間、宇兵衛が倒れたときに店まで運んでくれたのは、幸太と番所の役人だった
Memo
── 祝言を少し早めてもらおう。
念のためにそうした方がいい。 それから神田の富川屋に三十両の貸しがある。 ゆうべの寄り合いで顔を合わせながら、言いそびれたが、けりをつけておかないといけない。 けりをつけると言えば、柳橋平右衛門の小料理屋に、古いつけを残したままだ。 たしか五両ほどだが、あれも払わないといけない。
── あと、やっておくことはないか。
宇兵衛は凝然と庭を見つめながら、考えこんだ。
だが、やらなければならないのは、そんなことぐらいだった。 意外に少なかった。 あっけない気がし、宇兵衛は少し淋しい気もした。 こんなもんか、と思ったとき、一人の男の顔が浮かんできた。
『昔の仲間』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247069 |
タイトル |
藤沢周平 『神隠し』 文庫本 | 収録作品 |
拐(かどわか)し 昔の仲間 疫病神 告白 三年目 鬼 桃の木の下で 小鶴 暗い渦 夜の雷雨 神隠し |
≫ Amazon
神隠し (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642208 |
タイトル |
藤沢周平全集 第二巻 単行本 | 収録作品 |
冬の潮(うしお) 意気地なし 秘密 しぶとい連中 石を抱く 暁のひかり 龍(りゅう)を見た男 夜の橋 拐(かどわか)し 神隠し 閉ざされた口 闇の穴 三年目 狂気 荒れ野 春の雪 遠い少女 昔の仲間 疫病神 裏切り 夕べの光 冬の足音 暗い渦 うしろ姿 告白 捨てた女 夜の雷雨 暗い鏡 人殺し 朝焼け |
≫ Amazon
藤沢周平全集 第二巻
へ
配信広告 【 Yahoo! アドパートナー 】
配信広告 【 Google AdSense 】
a あ
b べ
c ちゃ
ち
e え
f ふ
g げ
ぎ
ぎゃ
h は
へ
ひ
ほ
i い
j じょ
じゅ
k か
き
こ
く
きょ
m ま
み
も
む
n な
に
の
ぬ
o お
r ら
りゅ
s さ
せ
し
そ
す
しょ
t た
て
と
u う
w わ
y や
よ
ゆ