鱗雲
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 50 (1975) 年 | 別冊小説新潮 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 鱗雲(うろこぐも) |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 小関 新三郎 石高百石近習(きんじゅ)組、二十四歳 父儀太夫が五年前に病死して十九の年に跡目を継いだ 三年後に妹の秋尾が病死、四十二の母理久と新三郎が残された 十八になる利穂(としお)、父と同僚だった屋代重兵衛の娘と、婚約の約束ごとが生きている
- 雪江 十七、八の武家の娘 新三郎が青沼村から帰る途中、笠取峠の地蔵堂の端に身体(からだ)を折り曲げて突っ伏していた 「心配するな。 少し帯をゆるめただけだ。 これから城下まで連れて行く。 そなたは病気らしいから、医者に見せねばならん」
Memo
「病人だから、しばらく休んでいるだけだ」
新三郎は静かに言った。
「身体がしっかりすれば、出ていくだろう。 それよりも、そちらの噂の方がひどいのではないか。 保坂の屋敷に出入りするのも、ほどほどにせんと、家中の評判が悪くなる一方だぞ」
利穂は、ふと探るように新三郎の顔をみた。
「気になりますの?」
「無論だ。 あそこは若い娘が出入りするところではあるまい」
利穂の顔に、また意地の悪いような微笑が浮かんだ。 その笑いをみると、新三郎は利穂が少し以前と変ったような気がして、胸が重くなった。
『鱗雲』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
新潮社 新潮文庫 | 978-4101247038 |
タイトル |
藤沢周平 『時雨のあと』 文庫本 | 収録作品 |
雪明かり 闇の顔 時雨のあと 意気地なし 秘密 果し合い 鱗雲 |
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時雨のあと (新潮文庫)
へ
出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642406 |
タイトル |
藤沢周平全集 第四巻 単行本 | 収録作品 |
暗殺の年輪 ただ一撃 紅(べに)の記憶 証拠人 唆(そそのか)す 恐妻の剣 潮田伝五郎置文(うしおだでんごろうおきぶみ) 密夫の顔 嚏(くしゃみ) 十四人目の男 桃の木の下で 臍曲(へそま)がり新左(しんざ) 夜の城 冤罪(えんざい) 一顆(いっか)の瓜(うり) 鱗雲(うろこぐも) 鬼気 竹光始末 果し合い 遠方より来(きた)る 乱心 雪明かり |
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藤沢周平全集 第四巻
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