榎屋敷宵の春月
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藤沢周平 短編作品
発表年 | 発表誌 |
昭和 64 (1989) 年 | オール讀物 |
著者名 | 作品名 |
藤沢周平 | 榎屋敷宵の春月 |
時 と 所
江戸時代 某城下
主な人物
- 寺井 田鶴(たづる) 組頭(くみがしら)寺井織之助の妻、番頭牧野仁八郎の娘 旧友の三弥と、はからずも夫の執政入りをめぐって争う羽目になる
- 宗方 三弥(みや) 差立御番頭(ごばんがしら)宗方惣兵衛の妻、御奏者杉山主馬の娘 じきに三十に手がとどくが、化粧がうまいせいか小皺も目立たず、まだほんの二十過ぎにも見える
- お理恵さま 国許の側室、城奥をたばねている お喜世さま御見回り手伝いとして、田鶴、三弥と一緒に城中に上がり、三人は前の側室から行儀作法を仕込まれて成人した
Memo
「三弥どのは今日、あなたより半刻(一時間)早く来て、兄に会ったのです」
「 ・・・・・・ 」
「意味はおわかりでしょ。 風変わりな人ですけど、兄は藩の重役方に顔が利きますから」
「ええ、よくわかります」
「あなたも一度、兄にねがってみたらどうですか。 どちらに味方するわけでもありませんけど、不公平なのはいやですからね」
お理恵さまの言葉は暗に三弥を非難していた。
── 迂闊だった。
と田鶴は思った。 出し抜いた三弥も三弥だが、気づかなかったこちらも悪いのだ。 そう思ったが、お理恵さまを真中にしてもどって来たように見えた二人の間の親密な空気が、みるみる消え失せるのを感じた。
『榎屋敷宵の春月』文中より
収録本
出版社 | ISBN |
文藝春秋 文春文庫 | 978-4167192266 |
タイトル |
藤沢周平 『麦屋町昼下がり』 文庫本 | 収録作品 |
麦屋町昼下がり 三ノ丸広場下城どき 山姥橋夜五ツ 榎屋敷宵の春月 |
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麦屋町昼下がり (文春文庫)
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出版社 | ISBN |
文藝春秋 | 978-4163642505 |
タイトル |
藤沢周平全集 第五巻 単行本 | 収録作品 |
闇の顔 小川の辺(ほとり) 木綿触れ 夢ぞ見し 一夢の敗北 小鶴 梅薫る 孫十の逆襲 泣くな、けい 泣く母 飛べ、佐五郎 山桜 帰還せず 報復 弾む声 切腹 花のあと -以登女(いとじょ)お物語- 雪間草 悪癖 麦屋町昼下がり 三ノ丸広場下城どき 山姥橋夜五ツ 榎屋敷宵の春月 |
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藤沢周平全集 第五巻
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