藤沢 周平
にがい再会
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藤沢周平 短編作品
発表年 発表誌
昭和 61 (1986) 年 週刊小説
著者名 作品名
藤沢周平 にがい再会

時 と 所

江戸時代  江戸市中

主な人物

Memo

「と言うわけだ。 わかったら ・・・」
 男は突然に、腹にひびくような大声を出した。
「とっとと消えうせろ」
 新之助は不意のどなり声に思わず腰を落としそうになり、がくがくとうなずきながら後じさりした。
「新之助さん」
 取りすがるようなおこまの声が聞えたが、もうそちらに顔をむけるようなゆとりは失われている。 新之助は男を見つめながらじりじりと後にさがり、やがて背をむけると逃げるような足どりでその場から遠ざかった。 おこまを見たのは、それが最後である。
 ── わるい幕切れだった。
                     『にがい再会』文中より

収録本

出版社 ISBN
文藝春秋  文春文庫 978-4167192297
タイトル
藤沢周平  『夜消える』  文庫本
収録作品
夜消える  にがい再会 永代橋  踊る手  消息  初つばめ  遠ざかる声
Amazon  夜消える (文春文庫) 
出版社 ISBN
文藝春秋 978-4163642307
タイトル
藤沢周平全集 第三巻  単行本
収録作品
驟(はし)り雨  遅いしあわせ  泣かない女  贈り物  歳月  ちきしょう!  虹の空  運の尽き  おばさん  亭主の仲間  時雨(しぐれ)みち  幼い声  夜の道  怠け者  盗み喰い  滴る汗  追われる男  おさんが呼ぶ  禍福  おとくの神  失踪(しっそう)  帰って来た女  おつぎ  逃走  夜消える  女下駄(おんなげた)  遠い別れ  鬼ごっこ  冬の日  寒い灯  にがい再会  永代橋  踊る手  消息  初つばめ  遠ざかる声
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